【胃切除術後障害】闘いは一生続く
10泊11日で私の入院生活は終了しました。
入院前の説明でも入院期間は10日くらいと言われていたので、予定通り順調に回復したということです。
年々、入院期間の短縮が進んでいるとは聞きますが、開腹手術で胃全摘しても、このくらいの入院で済むのですね。
もちろん痛みはまだあるし、下痢は続いているし、不安ですが、このくらいのことで入院を長引かせる時代ではなくったのか。
退院までには切除した胃の組織検査の結果とか聞けると思っていましたが、聞けるのは2週間後の外来の時だそうな。
痛み止めの薬だけもらい、荷物をまとめ、一階に降りる。
コロナ禍で面会ができない状況下では、荷物整理とか自分でやらなくてはならないのがつらい。
スタッフが荷物くらい運んでくれるのかと思いましたが、これも自分で運ぶことに。
一階ロビーで栄養士から食事の注意点とか話を聞いて、いざ退院です。
入院費の支払は家族が先に済ませてくれました。
私は入院期間が5/26~6/5で月をまたいでしまいました。
またがなければ、この半分くらいの金額で済んだと思います。
手術日を決める時、『早い方が良い』、という気持ちが勝ってしまったのでこうなってしまいましたが、もっと冷静に判断すれば良かった。
初めての手術だと冷静でいることは難しいですね。
高額療養費制度についてはこちらの記事を読んでください。
無事に退院できた私ですが、胃を切除した者は退院後も後遺症との闘いが続きます。
調べると実に多くの後遺症があり、胃切除術後障害と呼ばれ、症状は人それぞれなのですが、私自身が現在までに経験した症状を書いていきます。
まず代表的な後遺症であるダンピング症候群ですが、これは食後すぐあとに起こる早期ダンピングと、食後2~3時間後に起こる後期ダンピングがあります。
早期ダンピングは血糖値の急上昇が原因ですが、私はだるさ、発汗、腹部膨満感、眠気くらいで重い症状はまだありません。大人しく横になって休んでいれば徐々に治まります。そのままちょっと寝てしまうこともあります。
後期ダンピングは幸いにもまだ経験していませんが、低血糖が原因の症状なので人によっては気を失って倒れてしまうそうです。怖いですね。
一日の食事回数を5~6回にし、少量ずつ、良く噛んで、ゆっくり食べる。
栄養士に指導されると思いますが、これをしっかり守れば重い症状は出ないと思います。
ダンピング症候群以外で経験した後遺症は、下痢、おならが多い、つかえ、腹が減らない、体重減少、逆流性食道炎、などです。
入院中はずっと下痢でしたが、最近は油っこいものを食べた時だけになりました。私は今のところベーコンを食べるとダメですね。
あと入院中酷かったのはつかえ。
食道と腸の接合部あたりで食べたものがつかえて、それ以上食べられなくなる。
水もダメで逆に悪化するのがつらい。
最近は食べ方に慣れたのか、腸が慣れたのか、少なくなりました。
おならが多くなるのも地味に嫌ですね。
自宅では遠慮なくできますが妻に嫌な顔をされます。
公共の場では人のいない場所を探してしなければならない。
腹が減らないのは、胃から主に分泌されるグレリンというホルモンが減少するためらしいのですが、本当に減らない。
食欲不振なのではなく、腹が減らない。
食べたくない、というほどではないので食べることはできる。
何とも不思議な感覚である。
グレリンは成長ホルモンの分泌、消化吸収、栄養代謝などさまざまな臓器の働きにまで影響を及ぼすそうで、これが体重減少にも関わってくるようだ。
さらに胃が無いと食事量が減る。胃で消化できないので栄養素の吸収不足をおこす。当然、体重は減る。
退院後1ヶ月でまた2㎏ほど減り63㎏台まで落ちました。
どこまでいくのか。
逆流性食道炎もつらい。
正確にはまだ食道炎にはなっていないのだが、消化液が逆流して食道が焼けるような感じになる。胸やけってやつです。
口まで上がってくると苦い。胃液は酸っぱいけど腸液が苦いのは初めて知った。
水平に寝ると起こりやすいので、上半身を斜めに起こして寝なければならない。
これは本当に厄介です。
こんなクッションにさらに枕を置いて寝ています。
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今のところこんな後遺症がありますが、今後時間とともに出てくる後遺症もあるでしょう。
術後もこんな症状と一生付き合っていかなければならないなんて、正直考えていませんでした。
胃が無いって本当に大変なことなんです。
障害者認定してほしいくらい。