【術後2日目、3日目】ダービーどころじゃない
術後2日目の朝、熱は37.6℃まで下がった。
38℃台と比べるとかなり体は楽。
痛みが強くなってきたら、自分でボタン押して痛み止め入れられるし、今日はリハビリ頑張れるかな。
看護師も、リハビリ前に痛み止め入れると良いよと言っていた。
午前中は体を拭いてもらえた。
昨日までの高熱で汗もいっぱいかいていたのでさっぱり。
本日のリハビリは10時と13時の2回。
10時のリハビリでは立ってその場で足踏みをするところまで。
13時は部屋の端から端まで歩く。
たった数メートルだが歩くことができた。
順調だったらこれを昨日やる予定だったわけだ。
しかし、開腹手術でもこんなに早く歩けるようになるんだね。
歩けるようになれば自分でトイレにも行けるので、明日にはおしっこの管を取れるだろうという話だったのだが、そう順調にはいかなかった。
その日の深夜、痛みが強くなってきたのでボタンを押し、痛み止めを入れた。
しかしなかなか痛みが治まらない。
むしろ痛みは強くなる。
たまらずナースコールしたら、痛み止めがもう空っぽだという。
背中の硬膜外麻酔の管から入れているこの痛み止めは、使い切りのようで追加では入れないとのこと。強い薬に依存すると弱い薬が効きずらくなってしまうから。
こうして、腕の点滴から別の痛み止めを入れてもらうことになった。
少しうとうとしたが、すぐまた激痛が襲う。
やはり背中からの強い薬に慣れ、弱い薬が効きずらくなっていたのだろう。
たまらずまたナースコールして、もっと強い薬を入れてもらった。
これで少し眠れたが、ダメだ、また激痛。
ナースコールしたがもっと間隔を空けないとこの薬は入れられないから、朝、先生が来るまで待てと言われた。
先生が来るまでって何時?
朝の回診で担当医が来るのはいつも9時頃だ。
まだ3、4時間あるじゃないか。
我慢できないからナースコールしてるのに他に何もできないのかよ。
耐える。
耐える。
ひたすら耐える。
うー
もう無理だ。
術後3日目。
9時までは耐えられず8時頃ナースコールしたら、ようやく薬を入れてくれた。
この日は2021年5月30日。競馬好きの私にとって大事なダービーデーだったが、レースを見ることなく翌朝まで寝込むことになった。
背中の管はもう用済みとばかりに抜かれ、リハビリはお休みする。
手術直後の痛みほどではないのだが、長時間耐えなければならない痛みもきつい。
この日の痛みで初めて涙を流した。
まあこの日から退院までは、順調に痛みは小さくなっていくことになる。